医療

【要注意!】「骨折から寝たきりに…」日本人に多い骨粗鬆症について

今回も前回の『熱中症』に引き続き、医療テーマの投稿をさせていただきます。

今回は『骨粗鬆症』を取り上げたいと思います。高齢者に多く、転倒などを契機に骨折から様々な合併症をきたす事もあり、侮れない疾患です。

多くの方が病気の名前を聞かれたことがあると思いますが、厳密な所があまり知られていないので、御紹介いたします。身近な大切な方を守るためにも宜しければ、御一読ください。

骨粗鬆症をご存じですか?

骨がスカスカになり、もろくなる病気です

骨の密度や質が低下し、骨折しやすくなります。
特に女性・高齢者
に多く見られます。

なぜ起こるか?

骨の代謝バランスが崩れるため

骨は「作る」と「壊す」を繰り返しています。
このバランスが「壊す>作る」になると、骨密度が減少していきます。


日本人と骨粗鬆症:実情

推定患者数

約1,280万人(男女合わせて)
(日本骨粗鬆症学会の推計)

  • 女性:約980万人(特に閉経後)
  • 男性:約300万人

医療機関に受診しているのは全体の20-30%に留まっているのではないかという予測を含め、50歳以上の女性の約2人に1人が骨粗鬆症、またはその予備軍ではないかと言われています。

なぜ日本人は骨粗鬆症になりやすい?

① 骨量がもともと少ない

アジア人は欧米人に比べて体格が小さく、骨量も少ない傾向にあります。

② カルシウム摂取が少ない

日本人の食生活ではカルシウムが不足しがちです。
厚労省の調査でも、日本人の平均摂取量は目標値(成人で650~800mg)を下回っています。

③ 日光不足

骨に必要なビタミンDは日光に当たることで皮膚で合成されますが、
日本では屋内生活が多く、日照時間も地域差があり、不足しやすいと言われています。

④ 高齢化社会

世界的にも高齢化が進んでいる日本では、骨粗鬆症が社会的な課題になっています。具体的には、今まで自立していた高齢者が転倒を契機に骨折し、そのまま寝たきりになってしまうケースが多く見られています。

その他の原因

  • 運動不足
  • 喫煙・過度な飲酒
  • ステロイドなどの薬の長期使用
  • 疾患(リウマチ、糖尿病、甲状腺疾患など)

御本人あるいは身近な方で最近こんな症状、ありませんか?

✅ 背中が丸くなってきた
✅ 身長が縮んだ気がする
✅ 転んだだけで骨折した
✅ 背中や腰に痛みがある

ひとつでも当てはまるなら、骨粗鬆症かもしれません。

骨粗鬆症で起こりやすい骨折部位

  • 背骨(椎体圧迫骨折)
  • 手首(橈骨遠位端骨折)
  • 足の付け根(大腿骨近位部骨折)

特に足の付け根の骨折は、寝たきりの引き金にもなります。

診断には「骨密度検査」

骨の強さを調べるために、骨密度検査(DXA)を行います。
痛みもなく、数分で終わります。
40〜50歳を過ぎたら、定期的な検査がおすすめです。
クリニック等でも受けられる所がございます。


骨粗鬆症の治療・予防

食事

  • カルシウム(乳製品・小魚・大豆)
  • ビタミンD(鮭・きのこ・日光浴)
  • タンパク質も重要!

運動

  • ウォーキングや筋トレで骨と筋肉を強化!

  • 骨の吸収を防ぐ薬(ビスホスホネート、デノスマブ等)
  • 骨をつくる薬(テリパラチド等)
  • ビタミンD製剤、カルシウム製剤など

サプリメントも有効です。以下をおススメいたします。
※用量用法をお守りください。基礎疾患を持つ方、高齢な方は医療機関へ受診された上での使用を推奨いたします。

画像
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放っておくと…

  • 背骨が潰れる「圧迫骨折」
  • 足の付け根が折れて「寝たきり」に
  • 生活の質(QOL)が低下…

早めの発見と対策がカギです!


こんな方は骨密度チェックを!

  • 50歳以上の女性
  • 骨折の経験がある
  • 両親が骨粗鬆症だった
  • ステロイド薬を使っている
  • 極端にやせている

骨粗鬆症は予防・治療ができる病気です。
「転倒してから」ではなく、今から骨の健康を守りましょう。